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関節運動等の呼称について 1 [合気道の事など 2 雑文]

 合気道の事に関して前に記述したものとの関連から、大まかな関節等の運動学的な語句の解説の意味でこの一文を設けます。「股関節の伸展」とか「肩の内転」とか云う語句に対して、それがどのような運動を意味するのかよく判らないと云う指摘があったためであります。合気道の動きに主要となる関節及び身体部位の運動形態を指示する用語であります。

 先ず「正中線」でありますが、これは人体を正面から見て二次元で左右に等分割する線であります。また人体を横から見てこれを前後に二分割する線は「前額線」であります。当然人体を三次元の立体で捉えれば「正中面」「前額面」となります。
 また直立姿勢で「正中線」は「体軸」及び「重心軸」と重なりますが、「前額線」は必ずしも「重心軸」とは重なりません。ここで云う「体軸」とは動き或いは様々な姿勢の中で人体を前後左右に等分する線で、「重心軸」とは人体の重心の乗っている線であります。
 人体はやや前重心に在るので、頭頂部やや後ろから発した「重心軸」は足首やや前で、地表に対して垂直に落ちます。人は自然状態では少し前傾して立っていると云う事であります。一方「体軸」の方は地軸に対して有角度であっても構わないと云う事であります。また「重心軸」上の仙骨三番辺の高さに重力の中心があります。これが「重心点」であります。「臍下丹田」と云われている部位は、要はこの「重心点」なのでありましょう。

 頸の運動では、俯くように頸を垂れるのが「前屈」或いは「屈曲」、上を向くように動かすのが「後屈」或いは「伸展」であります。頸を左右に回し捻る運動は「回旋」で、右を向くのは「右回旋」で、左を向くのが「左回旋」となります。また頸を傾げるように横に倒す動きは「側屈」で、右に頭を倒すのが「右側屈」、左に倒せば「左側屈」であります。

 腰に関しては、お辞儀するように上体を前に倒す動きが「前屈」或いは「屈曲」で、上体を後ろに反らすような動きが「後屈」或いは「伸展」となります。腰部を軸に上体を左右に回し捻る動きが「回旋」であり、右方に回すのは「右回旋」、左方に回すのは「左回旋」となります。また上体を左右に倒す動きは「側屈」と云い、右方に倒せば「右側屈」、左方に倒せば「左側屈」であります。また腰の動きとは云っても、それは骨運動としては腰椎、仙骨、腸骨、場合に依っては大腿骨や肋骨等の運動が微妙に連動する動きであります。

 肩甲骨の動きとしては、腕を前に突き出して伸びをするような、左右肩甲骨間を開くような動きが「屈曲」又は「外転」、胸を張るように両肩甲骨を寄せるような動きが「伸展」又は「内転」、首を竦める時のように肩を持ち上げる動きが「挙上」、肩を下げる動きが「引き下げ」、腕を横から上に挙げるような時に同調して回る動きが「上方回旋」、持ち上げた腕を横から下げるような時に同調して回るような動きが「下方回旋」であります。しかし肩甲骨の場合動きの連動性が高く、「挙上」する時に同時に「上方回旋」も行われ、「引き下げ」の時に「下方回旋」が同時に引き起こされます。また肩甲骨は肋骨の上に、靭帯に依って貼りついているようなもので、動きの大きさはないにしろ自由度は高いと云えます。
(続)
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