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合気道の演武会について [合気道の事など 2 雑文]

 九月に合気道錬身会の第二回演武大会が江戸川区スポーツセンターで開催されたのでありました。昨年の第一回大会も盛況でありましたが、今回も昨年を凌ぐ数の参加者や観覧者の熱気で会場が煮え立つ様でありました。合気道錬身会の勢が確実に大きくなってきている査証でありましょうから、この点は拙生も慶賀に堪えないのであります。
 しかし勢が拡大すれば当然のこととして、様々な考えや経歴の愛好者が参加して来るのでありますから、その技法なり考え方の統一感が少なからず希薄化するのも否めない事実であります。勢の拡大と、その大きくなった流派の技法や、技法の依って立つ思想の統一は、一般的には恰も相克の様相を呈し始める関係でもあるようであります。
 養神館の演武会の頃からの印象でありますが、そこでは多種多様な演武が披露されるのでありました。しかしこれが同じ会派の合気道かと云う程に異相を示す技法が公然と演武されるのは、これは内部の者として秘かに戸惑いを禁じ得ないのでありました。この現象は養神館の演武会ばかりではなく、他の合気道各派にも云えることかも知れません。
 最高師範たる千田先生の技法を模範の最高域に戴く錬身会は、千田先生の技法に忠実に稽古し、その完成度や、その術理から外れていない範囲で創意工夫した成果や変化を披露するのが、本来合気道錬身会としての演武会の在りようでありましょう。錬身会ではその点で基本技法の正確さを競う競技演武が行われていますから、技法統一に大きく資する演武項目が採られていると云えるでありましょう。また外に対しても錬身会の技法は確たる模範と芯が存在すると云う点を明確に標榜出来るのであります。
 基本技競技演武に対しては最高師範から細かい注意点や技法上の指示が前もって各道場指導者に示されます。この指示に則って各指導者は演武技の指導を行います。これは改めて技法の細部や、千田先生の教示される理合と普段の自分の稽古との整合性に指導者が向きあう機会であります。引いては技法の統一に果たす役割が極めて大でありますし、演武会が普段の稽古に有機的に結合されている優れた制度であると云えます。
 にも関わらず、であります。指導者演武を含めた他の演武に於いて、どの様な考えがあってのことかは知りませんが、錬身会の合気道とは何の「関係もない」杖道の十二本目「乱合」の演武をそのままやってみたり、養神館の某師範の演武をその残心の取り方までそっくり真似ていると思われる演武があったりでは、その方がなんのために千田先生の錬身会で合気道を修練しようとしているのか疑問に思わざるを得ないのであります。それは合気道錬身会の演武会で敢えて行うべきものでありましょうか。特に他武道の演武をされた方は、その武道流派の責任者の方に、それと伴に錬身会最高師範の千田先生に事前に許可を得て演武を披露されたのでありましょうか。本来武道は徒に技術を公開しないものでありますから、どの様な武道でも代理者が演武を行う場合、術技披露はその流派を統べる最高責任者の許可を得て行うのが筋でありましょう。しかも他武道の演武会で態々演武するのでありますから、披露するに堪える力量の演武でなければなんの意味もないのであります。この点で先ずその武道に対しても錬身会に対しても、厳密に云えばその方は武道的な礼を欠いていることを知るべきであろうと思われます。第一、合気道の演武会なのですから、貴方の他武道の実力ではなくて、合気道の実力を披露して頂きたいものであります。
(了)
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